どの単語帳にするか迷っている受験生に送る3つのこと

ターゲット、速単など数多くある単語帳の中から自分に合った単語帳を選ぶ方法
大学受験で最も重要な科目は英語だ。

その英語において最も重要な分野の一つとして単語が挙げられる。

つまり英単語は大学受験において非常に大切な分野であると言わざるを得ない。

 

分野、といったが正確には「土台」が適切かもしれない。

英単語ができないことには文法も長文も作文もままならないからだ。

 

そのような状況の中で、書店に置いてある単語帳の種類や数は増すばかり。

これではどの単語帳をしようすればいいのか迷ってしまうのは無理もないだろう。

特に以下に該当している人はこの記事は必読だ。

  • どの単語帳にするか迷っている
  • 今使っている単語帳が覚えにくい
  • 気づいたらたくさんの単語帳を使用していた

でも安心してほしい。

このような悩みを抱えている人でもここに書かれてある通りに行動ができれば、必ず英単語の暗記がスムーズに進むようになる。

しっかりと読み進めるようにしてほしい。

自分に合った単語帳を選ぶ3つのテクニック

単語帳の紹介をする前に「選び方」について説明しておく。

というのも、世の中にはあまりに多くの単語帳があり、必ずと言って良いほど迷ってしまうからだ。

今持っている単語帳ではうまく英単語の暗記ができていない人もいるだろう。

そんな人は自分にあった単語帳の選び方を知る必要がある。

その1 自分の学力、やり方に合った参考書を選ぶべし

当然の事だが、自分の学力ややり方に合っていない単語帳を使用していると、単語暗記がスムーズに進まなくなることが多い。

そのため今使用している単語帳が自分のレベルややり方に合っていないと感じるのであれば、それは単語帳を買い換えるべき合図であると言える。

どの単語帳にも特徴があり、それを把握し、一番良いと思うものを選択すれば良いわけだ。

例として、以下に主要な4つの単語帳の特徴をまとめておく。

  1. ターゲットシリーズ…一問一答型
  2. 速読英単語シリーズ…長文暗記型
  3. DUOシリーズ…例文暗記型(DUOは他の単語帳よりも敷居が高いので注意)
  4. システム英単語シリーズ…一問一答かつフレーズ暗記型(最もお勧め)

自分が一番満足のいく単語帳を選んでほしい。

その2 現在あまり問題を抱えていない人はその単語帳を使い倒すべし

これまでの勉強であまり問題を抱えていない人や、そもそもあまり単語帳にこだわりのない人も多いと思う。

そのような人はこれまでの単語帳を使用して、単語暗記を進めていけばいい。

 

結局、どの単語帳も収録されている単語に大きな変化はないし、最終的には載っている単語を全て覚えてしまえばいいというだけのことだからだ。

今使用している単語帳をどうやって完璧にしていくのか。

そこだけに集中して勉強を進めてほしい。

最も重要なことは単語帳を1冊(1シリーズ)に絞ってやりこむことだ

さて英単語帳を何にすれば迷っている人ほど、多くの単語帳に手を出しやすい傾向にある。

先に伝えておこう。

多くの参考書に手を出した受験生は受験に失敗する可能性が飛躍的に高まる。

これは紛れもない事実である。

なぜなら多くの参考書に手を出せばだすほど一冊の内容が仕上がらなくなるからだ。

これまで多くの参考書に手を出した結果、消化不良に陥り、受験に失敗した人を数多く見てきた。

そのためこの記事を読んでくれている人は、自分が使用する単語帳を決めたら、その単語帳を信じてそれに絞って最後までやり切るようにしてもらいたい。

特定の参考書を一途にやり抜いた人が最後に報われるのが受験なのだ。

その3 発音・フレーズ・例文を重視せよ

英単語を学習するにあたり陥りやすいのが、単語と意味だけを覚えてしまうということだ。

たいていの参考書は単語と意味、それに例文が載っている程度である。

したがって受験生は、見出しと意味だけを暗記するのみで満足してしまうケースが非常に多いのだ。

 

意味を知っているだけでも大きな違いだが、それだけでは真の単語力とは言えない。

実際にどういう文でその語が使われているのか知らないことには長文が読めないし、英作文でも使えない。

また、自分で発音できない単語は聞き取ることができないため、発音の学習も欠かせない。

 

したがって、英単語学習の際は単語と意味だけでなく、

  • 発音
  • 短いフレーズ
  • 例文

あたりも重視すべきなのだ。

そうでないと、ただの独立した知識を抱え込むだけになってしまう。

 

「使える」英語を身につけるために、これらは欠かせない要素である。

収録語数・難易度だけが単語帳の質を決めるわけではないので注意してほしい。

慶早進学塾でのオススメは?

様々な英単語帳がある中で、慶早進学塾で使用しているのはつぎの3冊である。

  • システム英単語
  • 速読英単語 上級編
  • リンガメタリカ

これから英単語の暗記を始めていこうとしていて、どの単語帳を使用するか悩んでいる人は「シス単」を使用すれば良い。

どの単語帳も決定的に大きな差があるわけではないが、「シス単」が最も効果的に勉強できると言えるからだ。

そしてその際は正しい勉強法で圧倒的なスピードで単語暗記をしていこう。

実際に慶早進学塾の生徒は正しい勉強法を実践し、その多くは2週間で単語帳を一通り終わらせてしまうほどだ。

単語暗記は勉強法を知っているかどうかで、仕上がるまでのスピードに大きな差が生まれてくる。

特にシステム英単語に関してはお勧めしている理由と、詳細な使い方を別の記事で確認できるためそちらをぜひ確認してほしい。

もちろん他の単語帳でもこの暗記法を活用することが可能なのでそこは安心してほしい。

 

システム英単語の学習が終わったら、速読英単語やリンガメタリカへ進むよう指示している。

これらは単語が列挙されている通常の単語帳とは異なり、「英文」を読みながらの学習を重視している。

1つ1つの単語を独立した知識として学ぶよりも、実際の英文で学んだ方が効率的であるからだ。

 

システム英単語速読英単語リンガメタリカ。

いずれも以下で解説することとする。

大学入試のおすすめ英単語帳

いまや書店には数多くの英単語帳が存在する。

ものによって良し悪しや向き不向きがあるので、適当に選ぶと痛い目を見ることも。

そこで最初に、オススメの英単語帳を網羅しておく。

しっかり目を通して、自分に合った単語帳を選んでみよう。

どれも有名なので、簡単に買い求められる。

「ターゲット」シリーズ(1900, 1400, 1200) 旺文社


  

最も有名な単語帳の1つであり、単語帳四天王に該当する。

昔から存在し、ごく標準的な構成をしているため、単語帳といえばターゲットを思い浮かべる人も多いだろう。

進学校では、英単語の学習教材としてターゲットが配られることも多い。

 

まず、ターゲットシリーズでも最も有名な1900について解説しておこう。

ターゲット1900は、

  1. 常に試験に出る基本単語800
  2. 常に試験に出る重要単語800
  3. ここで差がつく難単語400

の3つの章に分類することができる。

レベル順となっており、学習者のレベルに応じて選択することが可能だ。

収録後はややレベルが高い印象があり、中学、高校での必須レベルの英単語を暗記できている人がこの単語帳を使用すると良いだろう。

また、実際の中身に関してであるが、以下の画像を参照してほしい。

ターゲット1900の中身

このように、

  1. 単語
  2. 単語の意味
  3. 例文
  4. 例文の和訳

のように構成されている。

この辺りも基本的な単語帳の構成となっているため、これが使いやすいと感じる人が多いのではないだろうか。

1400も1200も、中身の構成はこれと同様だ。

 

ターゲットは語数・難易度の違いによって1900・1400・1200の3種に分かれており、対象としているレベルは次の通り。

  • 1900: センター試験〜国公立二次、私大レベル
  • 1400: センター試験〜中堅私大レベル
  • 1200: 中学・高校レベル

本シリーズだけで単語学習を完結させるのであれば、1200→1400→1900となる。

とはいえ、1200や1400は平易な参考書であるため、難関大学を受験する生徒としては物足りなく感じる可能性が高い。

学校の授業などでちゃんと英単語を学習している生徒は、1900からの学習が丁度良い。

 

たいていの英単語には複数の意味や用法があり、その全てを覚えようとすると混乱しやすい。

だがターゲットでは1つの英単語に対して2,3の意味を軽く紹介するにとどめている。

そういう意味でも、余計な情報がなく良い意味で簡素な作りになっている。

逆に言えば、単語の意味や語源などを深く知りたいと望む場合、ターゲットシリーズは不向きであるといえよう。

 

なお、ターゲットシリーズには別販売の関連教材が多数存在する。

ここでは1900の関連教材のみ紹介していく。

書き覚えノート」は、手を動かして効率良く英単語を覚えるための練習ノートである。

「3段方式」とは次のようなものだ。

  1. スペルを見ながら/発音しながら/意味を確認しながら単語を3回書く
  2. 記憶した単語を日本語の意味から引き出す
  3. 前回の範囲を復習して定着

商品紹介ページより

ただぼんやり単語帳を眺めるのではなく、自分の手で書いてみる。

その時、発音も欠かさず確認し、自分で喋ってみる。

こうした積極的な取り組みにより、受動的な学習から脱却して効率良く単語を暗記できる、という寸法だ。

英単語に限った話ではないが、暗記事項を目で見て覚えようとしてもうまくいかないことが多い。

その際、白紙にとにかく書いてみたり、文章を音読したりすると解決するものだ。

本書は、着実に単語を暗記できるよう丁寧に構成されている

ただ紙に書いて暗記するよりもさらに効率的になるので、英単語の学習方法に悩む受験生にオススメだ。

 

もう一つ、「実践問題集」を紹介しておこう。

これは、「ターゲット1900」に登場する英単語を、3ステップの問題演習で学習するものだ。

3ステップとは、次のようなもの。

  1. 単語の意味・発音・アクセントの確認
    (英単語の意味を選ぶ問題、発音・アクセント問題など)
  2. 見出し語の関連語の定着
    (反意語・同意語・派生語を記述する問題など)
  3. 見出し語の用法の学習
    (英文・フレーズの空所補充問題など)

商品紹介ページより

3ステップの後に、実際に出題された大学入試問題に挑戦することができる。

いきなり難しい問題から始まるのではなく、単語の意味や発音からスタートしているのが魅力だ。

実践問題集をこなすことで、基礎知識が次第に定着していく。

もちろん本書の内容は「ターゲット1900」本家と完全対応しているので、2冊併用すればスムーズな学習が可能である。

 

ターゲットシリーズには、この他にもカード英単語ターゲット1900英単語ターゲット1900暗記ポスターなんていうものまで揃っている。

これだけ多数の出版物があること自体、人気の証拠といえよう。

ターゲット1900はどの大学入試にも頻出の単語が多数収録されているので、よほど単語に自信がある場合を除いてほとんどの受験生にとって取り組む価値がある。

高3生でなくとも、高1・高2で意欲のある人はぜひ挑戦してみよう。

速読英単語(入門、必修、上級) Z会出版

速読英単語1

これも最も有名な単語帳の一つであり、英単語四天王に数えられる。

先述の通り、慶早進学塾でも難関大受験生が使用している。

ターゲットシリーズ同様、速読英単語にも多くのシリーズがある。

本家、つまり傍用教材でないのは次の3つ。

  • 速読英単語 入門編
  • 速読英単語 必修編
  • 速読英単語 上級編

そしてこれの熟語版として「速読英熟語」というものがある。

 

速読英単語シリーズの最大の特徴は、短めの長文を読み解きながら、受験に必要な単語を覚えていくという点に挙げられる。

実際に以下の画像を確認してほしい。

速読英単語必修編の本文 速読英単語3

速読英単語において、各々の章は上の画像のように、

  1. 長文と和訳のページ(必須の単語はオレンジ色になっている)
  2. 単語の意味と解説のページ

に分かれている。

 

普通の英単語帳は、右画像のようなページのみで構成されており、左画像のようなページは速読英単語シリーズを象徴しているといえよう。

文章とともに単語を暗記するというのは、あなたの想像以上に強力なものである。

のちのDUO3.0のところでも述べるが、文脈とともに意味を覚えたほうが覚えやすいし忘れにくいのだ。

そこに着目し、左のような文章ページを設けているのが本シリーズの優秀なポイントである。

 

速読英単語で最もよく使われるのは必修編である。

必修編は約70もの章から構成され、全て学びつくせば単語のストックも文章のストックも結構な量になるのは間違いない。

 

なお、速読英単語のレベルは、

  1. 入門編は中学レベル〜高校初歩レベル
  2. 必修編は高校初歩レベル〜MARCHに到達しないくらいまでのレベル
  3. 上級編はMARCHレベル〜東大京大早慶レベル

となっている。

自分の学力に合った所から勉強するように注意したい。

受験に向けてそろそろ英単語の勉強を始めるか、と考えている生徒には必修編がオススメ。

 

なお、速読英単語シリーズもCDや単語ノートなどが別売りで用意されている

次のように、どのレベルの教材も充実しているので、必要に応じて活用してみよう。

速単特設サイトより

DUO 3.0 アイシーピー

DUO

進学校を中心によく使用されているのがこのDUOという単語帳だ。

 

上の表紙画像に書かれてあるように、DUOの特徴は、

現代英語の重要単語1600+熟語1000を重複なしで560本の基本例文に凝縮

していることが挙げられる。

英単語に限らず英熟語を含めて、やや長めの例文を暗記することで覚えていけるのだ。

一問一答形式が苦手で、例文を使用して覚えていきたいという人には最適の単語帳になっている。

 

例文で覚えるのは、単語をそのまま暗記するよりも効率が悪いのではないか。

そう感じたとしたら、それは少し誤った考え方だ。

単語をバラバラに暗記するよりも、例文という「ネットワーク」でつなげてやったほうが、知識の連結は強まる。

結果として、暗記しやすくなるうえに忘れにくくなるのだ。

さらに、例文をたくさん覚えておけば、作文やスピーキングの能力も高まるのは間違いない。

 

DUOはやや敷居が高い印象があるが、実際これが非常に覚えやすいという人も中にはいるのではないかと思う。

他の参考書とは一線を画す形式であるため、自分の英単語帳をすでに持っていても一度書店で手に取って見ることを推奨する。

DUO3.0については次の個別記事で詳しく解説しているので、こちらも参照してほしい。

システム英単語(Basic、改訂新版、Premium版) 駿台文庫

単語帳の中でも慶早進学塾が最もお勧めしているのがシステム英単語だ。

システム英単語にはBasic版と改訂新版、そしてpremium版があるが、最もおすすめなのが改訂新版である。

Basic版は中学・高校レベルの単語が収録されているので、高1・高2生向き。

無印(改訂新版)は、大学受験の標準レベルの語彙力が身につくようになっており、高3生はこちらが断然オススメだ。

 

Premiumは、同じ「シズテム英単語」の名を冠してはいるものの、他2冊とは少々毛色が異なっている。

「この英単語はこういう意味ですよ」ではなく、英単語を語源から分析し、英単語を体系的に理解しようという挑戦的な参考書だ。

英語を学習するのに充分時間があり、かつ語根などについての理解を深めようと考えている意欲的な受験生が手に取るべき一冊。

学習者の姿勢次第で大きな力を発揮しうるのだ。

逆に、英語学習が苦手あるいは英単語の暗記が嫌いな人にとっては大きな苦痛となってしまう。

そういう意味で人を選ぶというのが短所だ。

 

システム英単語の長所は「ミニマルフレーズ」にある。

英単語を覚えるのに例文を活用している参考書(DUOなど)はあるが、文を覚えるというのは簡単な話ではない。

そこで、文ではなく最小限のフレーズ(=ミニマルフレーズ)で覚えていこうというのがシス単の狙いである。

2,3の単語で構成されているフレーズであるため簡単に暗記できる。

また、使われている単語を少し変えれば英作文やスピーキングの場でも活用できるのが魅力的だ。

 

誰が取り組んでも成果を生み出してくれるのはやはり無印(改訂新版)である。

大学入試に欠かせない重要単語を網羅しているので、これ1冊をやりきれば英語の得点力は大きく向上するのは間違いない。

システム英単語に関してはお勧めしている理由と、詳細な使い方は次の記事で確認してほしい。

これは、シス単のみについての個別ページである。

「キクタン」シリーズ

「キクタン」は、英語参考書で有名なアルクから出版されている単語帳。

名前の通り「聞いて覚える」ことを重視しているのが特徴だ。

名前を聞いたり、表紙を見たりした人は多いことだろう。

レベルに応じて次の4種類がある。

  • Entry 2000
  • Basic 4000
  • Advanced 6000
  • Super 12000

題目の後に付いている数字(2000, 4000 …)は大まかな語彙レベルを示している。

難易度や収録語数は以下の通りである。

2000

4000

6000

12000

対象レベル 中3〜高1 センター〜中堅私大 センター〜難関大 中堅私大〜超難関大
収録語数 520 1120 896 1120
1日の学習 8語 16語 16語 16語

商品紹介ページより一部抜粋

キクタンでの「聞く」は他参考書とは大きく異なる。

通常、英単語学習で「聞く」といえば、付属のCDやダウンロード音声を聞くだけである。

しかし、キクタンでは少しでも効率的に学べるよう丁寧に設計されているのだ。

キクタンファミリーはすべての書籍にCD(またはCD-ROMかダウンロード音声)が付いています。特に『キクタン』『キクタンリーディング』『キクジュク』では、アルクの通信講座で定評のある「チャンツ」を採用。音楽に合わせて単語と訳が読み上げられることにより、発音と意味が効率よく記憶に刻み込まれていきます。

商品紹介ページより

ただ単語や例文を読み上げているのみではないのが特徴。

音楽に合わせて単語と意味が読まれることで、単純に読まれるよりも頭に残りやすくなっているのだ。

英語の音声を聞いていると退屈してしまう人は多いが、これならその心配はいらない。

 

もちろん、通常通りフレーズや例文の音声もついているので、それを活用することも可能。

「キクタン」は、音声を聞くだけである程度単語学習が進むよう設計されているのが優秀である。

机に向かって英単語を勉強する気になれなくても、音声を活用すれば単語学習ができるのだ。

通学中のように、本を読んでいられないような場面でも勉強できるよう工夫されている。

 

そして、1日の学習内容を決めてくれているのも珍しい。

通常の単語帳では1日の学習量が述べられていないので、毎日いくつ勉強したらいいのか決めにくい。

特に、自律的に英単語を学ぶ習慣がついていない段階では、自分で数を決めるのは簡単な話ではないのだ。

キクタンシリーズでは、Entryで8個/日、他は16個/日と決められているので、それにしたがって学習していけばおよそ2ヶ月で1冊が終わるようになっている。

すでに勉強計画を作ってくれているのは、学ぶ身としてありがたいポイントだ。

 

このように「キクタン」は、学習者が余計なことに悩まされずに勉強できるよう、いろいろお膳立てをしてくれている。

単純な単語帳ではどうしようしたら良いのかわからない、という人にオススメ。

大学受験の勉強からは外れるが、TOEICや実用英語技能検定用のレベル別(級別)参考書も同シリーズから出版されているので、各種試験を受験する場合はそちらもチェックしてほしい。

リンガメタリカ

Z会から出ている英単語の参考書である。

慶早進学塾でも使用している。

タイトルを見ればわかるように、本書は話題(テーマ)ごとに分かれて単語を学習できるのが特徴だ。

テーマの一覧は以下の通り。

  1. グローバル化
  2. 経済
  3. 社会問題
  4. 環境問題
  5. 科学
  6. 医学・生命倫理 (1)
  7. 医学・生命倫理 (2)
  8. 言語論・心理学
  9. インターネット
  10. 差別問題
  11. テロ・死刑論・哲学

Z-wikiより

難関大の長文問題で頻繁に扱われるテーマを網羅しているのが特徴。

理系・文系の偏りがないチョイスになっている。

難易度は、早慶あたりの私立やそれ以上の国立が対象だ。

単語の参考書ではあるものの、通常の単語帳のようにただ単語を並べているわけではない。

本書はつぎの3ステップで構成されているのだ。

  • 背景知識
  • 単語・フレーズ
  • 英文

背景知識」の章では、上のテーマを116の小テーマに分け、話題を理解するのに必要な知識を説明している。

この章を読んでおくだけで、そのテーマの英文はかなり読みやすくなるにちがいない。

 

単語・フレーズの章では、各々のテーマを理解する上で重要な単語を紹介している。

単語はバラバラで登場するのではなく、たとえばpromote internationalization(国際化を推進する)のようにフレーズで載っているのが長所。

これにより、覚えやすく使いやすい語彙の習得ができる。

 

最後に、テーマに合わせた難関大レベルの長文。

文中で最重要の単語は赤字になっており、学習しやすいよう配慮されている。

丁寧に読んでいけば、知識が頭に入っているか確認することができる。

 

文章とともに単語を覚えよう!という趣旨の参考書であるため、扱いには注意が必要だ。

とりあえず基礎的な単語を早めに覚えてしまいたい、というのであれば、単語が列挙されているふつうの参考書を用いた方が手っ取り早い。

フレーズや文章で単語を覚える参考書としてはこれの他に「速読英単語」があり、リンガメタリカとの比較で悩む人も多いことだろう。

大まかな目安としては、

  • テーマに関係なく多くの単語を吸収したい: 速読英単語 (上級編がオススメ)
  • テーマごとに、背景知識を絡めて勉強したい: リンガメタリカ

というふうに使い分けるとよい。

英単語FORMULA

英単語FORMULAは、東進ハイスクールから出ている参考書。

最初に登場したのは1700の方で、こちらはセンター試験〜難関大基礎レベルを対象としている。

中学英単語1400の方は、文字通り中学英語で必須の単語をまとめたものだ。

 

ここではFORMULA1700の方に絞って説明する。

著者は安河内哲也。「英文法レベル別問題集」などの参考書で有名な英語講師だ。

1700は、センター試験などに登場する基礎的で頻出の英単語を確実に習得することを目的としている。

他の参考書と比較すると、収録語数の面では劣る部分があるが、それは必要な情報だけを載せた結果生じたこと。

試験での登場頻度が低いものについては省略し、エッセンスのみを学習できるよう設計されている、というわけである。

 

著者本人はこの1700について次のように述べている。

単語の選択では、センター試験のレベルを念頭に置き、高校初級レベルの単語も、特に前半では多く収録しています。後半部分にも頻度の低い難単語が入らないように注意しました。派生語や関連語に関しては見出し語とほぼ同数のレベルに厳選しました。

(中略)

このように割り切った作りとなっているため、この単語集は英単語集にある種の辞書的な「深み」を求めている皆さんには、正直言って向いていないかもしれません。しかし、エッセンスを、効率よく合理的に学びたい皆さんには最適のものとなったと確信します。

著者コメントより

深い語彙能力を追求したり、難易度の高い単語をたくさん覚えたりしたいと望んでいる受験生にとって、本書は明らかに不足している。

だが、とりあえず試験に出やすい単語を固めて、長文などを読めるようにしたい!と考える生徒にはうってつけだ。

他参考書と比して基礎的な語に重点を置いているので、いまの自分に合っているかよく確認する必要はある。

受験生でない場合、たとえば高1程度の生徒が取り組むぶんには、やりがいがある参考書である。

「ユメタン」シリーズ

「ユメタン」(夢を叶える英単語)は、アルクから出版されている単語参考書。

「キムタツリスニング」シリーズで著名な灘高の木村達哉教諭が作成した参考書シリーズである。

同著者の参考書は優秀なものが多く、特にリスニング教材に関しては難関校受験者に強い人気を誇っている。

キムタツシリーズについては以下の記事で解説しているので、ぜひ参照してほしい。

 

ユメタンは、レベル別に次の4段階に分かれている。

  • ユメタン1: 中学修了〜高校基礎レベル
  • ユメタン2: 大学合格必須レベル
  • ユメタン3: 難関大学合格必須レベル
  • ユメタン4: スーパーハイレベル

同著者の参考書は優秀なものが多く、特にリスニング教材に関しては難関校受験者に強い人気を誇っている。

 

ユメタンの単語記憶の手法は、他の英単語帳とは異なっている。

7日間、同じ単語100個を様々な観点から学習する、というもの。

1週間の7日間、毎日違うアプロ―チで同じ100語を学びます。1日目「単語の実力チェック」→2日目「単語を書いて覚える」→3日目「単語のクイックレスポンス」→4日目「フレーズの実力チェック」→5日目「フレーズを書いて覚える」→6日目「フレーズのクイックレスポンス」→7日目「単語のフレーズの最終チェック」。これで自然と記憶に定着します。

内容紹介より

ふつう単語を暗記するときは、単語と意味を眺めるだけの場合が多い。

それで覚えられなければ、紙に単語をたくさんかいたり、音読したりもするだろう。

だがユメタンではそれよりもさらに多角的に単語を学習していく。

複数の手法で学ぶことで、着実に暗記できるという仕組みだ。

 

だが、ユメタンのこうした性質上、どうしても個人の継続的な努力を要求してしまう。

上に示した7つのアプローチをちゃんと実践しないと、本書を用いる意味がないので注意しよう。

そして、ユメタンシリーズは収録単語数がさほど多くない。

  • ユメタン1: 1370語
  • ユメタン2: 1000語
  • ユメタン3: 1000語
  • ユメタン4: 800語

となっており、広い語彙をカバーするには複数冊の購入が実質的な義務となってしまう。

1つ1つの単語を丁寧に学習したい人向けであるといえる。

 

本書には

  • 使い切るのにどうしても日数がかかってしまう
  • その割に収録語数が少ない
  • 接頭辞・接尾辞などの知識が深まらない
  • 誤植が多い

といった短所もあり、キムタツリスニングやライティングと比して人気は低い状況だ。

その場の衝動で買わずに、一度中身をじっくり読んでから使用を検討しよう。

「鉄壁」

「鉄壁」は、角川から出版されている英単語・熟語参考書。

名前の通り、東大入試を想定したハイレベルな単語帳である。

鉄緑会とは、東大入試の指導を専門としている塾。

そこに所属している講師たちが、東大入試を分析し、受験生に必要な語彙を網羅したのがこの「鉄壁」である。

 

かなりハイレベルであるため慶早進学塾では積極的に推奨しているわけではない。

しかし鉄壁は、最難関校受験者向けの参考書としては非常に優秀である。

 

第一に、収録単語数が多い。

見出し語を全てカウントすると3000をゆうに超える。

それでいて、中学や高校基礎レベルの簡単な単語はほとんど載っていない。

ある程度単語力のある学習者であれば、どのページも退屈することはない構成だ。

 

第二に、100語ごとの「SECTION」に分かれた構成となっている。

ここでのSECTIONは頻出度順などではなく、意味上のまとまりによる分類が多い。

たとえば「力関係」「知覚・感覚・感情」といった具合である。

頻出度順だと意味上のまとまりがどうしても薄れてしまい、暗記しにくくなるのがよくある問題だ。

鉄壁では共通したテーマでまとめられているので、関連づけて覚えやすくなっている。

 

第三に、単語や語根の理解を助けるイラストが惜しみなく使われている。

たとえばambiguousとvague、それにobscureはどれも「曖昧な、ぼやけた」と訳されるが、実はニュアンスが異なっている。

これらの違いは、言葉で説明するとなると難しいものだ。

だが鉄壁ではイラストを用いて非常にわかりやすくまとめている。

言葉で伝えにくいことをイラストでまとめることで、内容がわかりやすくなり記憶にも残りやすいのだ。

 

この他にもいくつか優秀な点があり、東大受験生に重宝されている。

ただし、

  • 参考書自体のレベルが非常に高い
  • ページ数がかなり多い(600ページ超)

といった点は考慮しなければならない。

少なくとも、高校生が手にする「最初の1冊」としては不適切であることを明言しておく。

ここまでに述べてきたような代表的な参考書を一通りこなし、センター試験レベルの語彙をカバーできていることを確認したら、本書に取り組んでも良い頃合いである。

高難度で良質な単語帳なので、それ相応の学力が要求されることは忘れないようにしよう。

英単語センター1800

「英単語センター1800」は、東進ブックスから出ている単語参考書。

その名の通り、センター試験を攻略する語彙能力を養う教材である。

編者は高橋潔(慶應義塾大学名誉教授)。

 

過去のセンター試験を徹底分析し、試験に出やすい単語を頻度順にまとめているのが特徴だ。

参考書の中身自体は他の単語帳と変わらずシンプルなもので、見出しと意味、それに例文が載っているという具合。

先ほど紹介しいたFORMULAもそうだが、とりあえず入試に出やすい語彙をカバーしたい受験生に向いている一冊と言える。

英単語を語源や語根に着目して、丁寧に学んでいきたいと考えている人を対象としていないので注意しよう。

 

センター1800は、典型的なフレーズや例文を収録しており、本書の例文を一通り読むだけで典型的な英文を身につけることができる。

そして、少し珍しいのは次の点。

類義語との使い分けや語法、日本人がしがちな間違いなどを掲載。さらに、見やすく・使いやすいデザインで学習効果を徹底的に高めました。

センター1800の新刊案内より

特に「類義語との使い分け」については、普段あまり意識しない人が多いことだろう。

同じ訳し方ができる単語はどれも似たようなものだ、と日本人は考えがちである。

たとえばshouldとhad betterの違いなどである。

だが、それらの違いを認識しないことには、ニュアンスも含めた正しい読解ができない。

 

センター1800は分厚い参考書ではないが、その中でも上のような情報が載っているのはありがたいことだ。

とはいえ、収録されている単語の数や難易度は、国公立二次や難関私大入試を考えている人には物足りないものとなっている。

高1・高2が実力養成に用いるか、センター利用入試を考えている高3が使用するぶんには問題ない。

タイトルの通りあくまでセンター試験が主な対象であることに留意してほしい。

国立大の英単語

「国立大の英単語」は、いわゆる赤本を出版している教学社から出ている単語参考書である。

この参考書はセンター試験から国公立大の二次試験レベルが対象だ。

 

表紙を見てもわかる通り、この参考書は「5つの覚え方」で暗記することを特徴としている。

5つの覚え方とは次のようなものだ。

  1. カタカナ語で覚える
  2. 連想で覚える
  3. ペアで覚える
  4. フレーズで覚える
  5. ゴロ合わせで覚える

商品紹介より抜粋

様々な方法を用いることで、覚えやすく・忘れにくくしようというわけだ。

確かに、単純に見出し語と意味を眺めているよりも、上のような連想やフレーズで覚えたほうが効率的である。

「国公立大の英単語」では合格への最短ルートとなる1541語の見出し語と、約1300語の関連語が収録されているので、数の面でもかなり心強い。

 

だが本書にはいくつか短所もある。

まず上の覚え方の中に「カタカナ語で覚える」というものがあるが、これは必ずしも賢い覚え方とは限らない。

カタカナ語の方が私たちにとって理解しやすいのは確かであるが、発音がいい加減になってしまうのだ。

たとえば「デリケート」と”delicate”はアクセントの位置が異なる。

カタカナ語は正しい発音・アクセントの学習を阻害することがあるのだ。

多くの人は知っているだろうが、センター試験の英語では必ず発音の問題が出題される。

単に字面と意味を知っていれば良い、というわけではない。

 

もう一つ、「ゴロ」に問題がある。

要は語呂合わせで覚えてしまおうということなのだが、どうしてもムリをしている語呂合わせが多くなっている。

簡単に覚えるために語呂合わせを用いるのが本来あるべき姿なのに、「国公立大の英単語」ではゴロ自体が覚えにくいことが多いのだ。

これでは本末転倒である。

 

このように、セールスポイントであるはずの「5つの覚え方」に大きな問題が潜んでいるため、購入の際は自分の目でよく読んで検討する必要がある。

また、本書に載っている単語レベルであれば他の単語帳で代用可能であるので、積極的に用いるような教材ではない、というのが慶早での考えだ。

The Word Book とみ単

「The Word Book とみ単」は、代々木ゼミナール講師の富田一彦による英単語参考書。

本書はいわゆる「単語帳」とは違った視点の内容となっている。

 

ふつうの単語帳は、英単語を数多く覚えることで英文を読めるようにするというスタイルである。

しかし本書はその逆で、「いかに暗記量を少なくするか」に重きを置いている。

  • 知らない単語に遭遇しても慌てず対処できるようになる
  • 語尾や位置から意味が推測できるようになる
  • 英作文にも対応できる別冊例文集つき

著者コメントより

単語の学習というと、暗記することばかりに目が行きがちである。

しかし、大学入試に登場する単語を100%勉強しきるのは不可能、というのは想像に難くない。

 

そこで重要になるのは、未知の英単語の意味をいかにして推測するか、である。

文脈的に推測できる場合、語根から推測できる場合、…など様々あるが、それをこの「とみ単」で鍛えられるのだ。

もちろん通常の単語帳として単語の紹介もなされているので、英単語を「普通に」学習できないわけではない。

ただし、この参考書はいわゆる普通の「単語帳」ではないので、単語をひたすら網羅する参考書を求めている人には適していない。

趣向的な参考書なので、書店で一度読んでみるのが賢明だ。

医学部受験の英単語

河合塾から出ている、医学部受験生を対象とした単語帳。

大学受験で必要な単語というのは、受験する学部に無関係である場合が多い。

だが、医学部の場合が事情が異なる。

たとえば「実験」「治療」「症候群」といった単語は、医学部で出題される長文には不可欠である。

 

こうした独自の単語は、多くの受験生が使用するような単語帳ではカバーしきれない部分がある。

そこで、医学部系の受験生に必要な語彙をカバーしよう、というのが「医学部受験の英単語」のねらい。

過去の医学部入試長文問題の分析を通じて今後出題されることが見込まれるテーマを抽出し、9パート100テーマにまとめている。見出し語数1,080。

商品紹介より

この参考書で優れているのは、英単語の学習をしつつ医学の話題やその知識を吸収できる点である。

例文は、単語を覚えるためだけではなく、例文を読むことによりテーマに関する語彙と知識が増すように選択。

(中略)

医学部入試英文に頻出する、医療に関係する形容詞・動詞をSupplement(補遺)として掲載。医療や科学に関係する、歴史上の人物や、病名や機関などの略語なども紹介。

同上より

英単語の勉強、英作文の勉強、医学の話題のチェック…といった種々の勉強を独立したものとして取り組むのは大変だし、時間も要する。

だが「医学部受験の英単語」では、例文やコラムが医学的な内容となっているので、単語学習とともに知識も獲得できるのだ。

ターゲットシリーズなどの平易な単語帳をクリアした次あたりに取り組むと効果的である。

医学部受験をする人はぜひ使用を検討してほしい。

「DataBase」シリーズ

DataBaseシリーズは、桐原書店から出版されている単語・熟語の参考書である。

語数・難易度によって

  • 使える英単語熟語1700
  • 基本英単語熟語3000
  • 完成英単語熟語4500

と3種類に分かれている。

大まかなレベルは以下の通り。

  • 1700: 新課程の中学英単語・熟語から高校1年の必修語まで
  • 3000: 新課程の中学・高校教科書、センター試験
  • 4500: 高校必修の単語・熟語から入試頻出語まで、入試で差がつく英単語

 

DataBaseという名称から想像できるように、このシリーズは何と言ってもその網羅性が特徴だ。

完成英単語熟語4500まで取り組めば、大学入試の英単語で困ることはほとんど無くなるといって差し支えない。

早慶レベルの受験生であれば、これ1冊で十分である。

 

見開きの左ページに見出し語、発音、意味が載っており、右ページにはその語の例文がある。

これについては通常の英単語帳と大差はない。

だが、DataBaseでは単語が大まかな意味ごとに分けられている。

たとえば「性格を表す語」「感情を表す語」といった具合。

先ほど「鉄壁」のところでも紹介したが、分野・用途別に分かれていたほうが効率的に学習しやすい。

 

また最近になって3色刷りになり、イラストが豊富に使用されるようになった。

単語数が多い参考書は読んでいてモチベーションを維持するのが大変な場合が多いが、こうした工夫により見やすい書面となっている。

時折単語のまとめとして長文が載っており、これを読むことで理解度の確認ができる。

3冊いずれも6段階のレベル別構成となっており、少しずつ難しい語にアプローチ可能。

 

網羅性を重視するのであればオススメのシリーズだ。

だが、自分の学力レベルに合わないものを選んでしまうと、その網羅性が裏目に出て大幅な時間ロスとなってしまう。

そこだけは注意しておこう。

西きょうじの英文読解+英単語(リーディング&ボキャブラリー)

「西きょうじの英文読解+英単語」は、その名のとおり英文読解と単語暗記を同時にやってしまおう、という参考書。

50の英文で構成されており、まずはそれを読解し、その後語彙の確認をするという構成だ。

 

文章編の後にはWords&Phrases、Further Vocabularyという2つの章がある。

Words&Phrasesは、50の英文に登場した単語を順番に載せているもの。

単語だけ軽くおさらいしたい場合などに重宝する。

Further Vocabularyは本文のテーマに関連するさらなる語彙を紹介している。

長文読解では、特定のテーマの単語をある程度知っていることが前提となるため、このFurther Vocabularyも良い学習材料だ。

 

本書は何より、「小難しさ」を排しているのが長所。

もちろん難しい語彙の習得も難関大志望者にとっては重要だ。

しかし、初期の段階であまりに広いボキャブラリーを目指すと、誤った勉強方法を身につける可能性が生じる。

大学入試の基礎を学ぶうえで大切なのは、語彙レベルをひたすら拡張することではなく、必須単語を着実に学習していくことなのだ。

 

「西きょうじの英文読解+英単語」の語彙レベルはセンター試験レベル〜私大標準レベルに止まっている。

難しい大学入試問題からの出題はないし、なんと高校入試からも少し使用されているのだ。

物足りなさを感じるかもしれないが、この参考書はそういうスタンスだと考えることにしよう。

そのぶん丁寧な基礎固めが可能だと考え、基礎学習に活用するのが妥当である。

難関大志望者の場合、高3生だと平易すぎる可能性があるが、意欲的な高2生が取り組むぶんにはやりごたえがあろう。

入試英単語の王道2000+50

「入試英単語の王道2000+50」は河合出版の英単語帳。

著名な参考書というわけではないものの、優秀な教材である。

 

第一に、本書は掲載語数が非常に多い。

見出し語の数は2000個+50個(多義語)だが、合計で4750語が載っている。

難関大入試でも事足りる程度の単語は揃っているので、これ1冊で相当なレベルの学習が可能だ。

 

そしてもう一つは、語法が詳しく載っているということ。

たいていの英単語帳では単語の意味や発音、例文が載っているくらいである。

だが、大学入試では単語単体の知識のみならず、その単語をいかに使うか(=語法)も問われる。

実際近年の早稲田・慶応大学の入試では、穴埋め形式で語法を問うような問題が増えている。

見出し語2000語+多義語50語には、必要なすべての語義にフレーズを作成。単語の意味だけではなく、語法を徹底表記。

商品紹介より

この工夫により、単語の意味や発音だけでなく語法もマスターできるのだ。

他にも発音や接頭辞・接尾辞に関するルールが37のコラムでまとめられているなど、大学入試で必要な単語関連の知識がこの1冊に凝縮されている。

難関大受験者にはかなりオススメできる単語帳である。

英単語VALUE

数研出版から出ている英単語参考書。

語彙レベルによりつぎの2種がある。

  • 英単語VALUE 1400: 3000語レベル
  • 英単語VALUE 1700: 4500語レベル

目安としては、1400はセンター試験、1700は国公立二次試験の標準レベルである。

これから英単語の受験勉強を始めようという人は1400から、センター試験の問題が解けるようになってきたら1700への着手を薦める。

 

本書は、過去の大学入試の徹底分析により、試験に出やすい単語・フレーズ・例文を選び抜いているのが特色。

近年の大学入試(約3000試験)を徹底的に分析し、「大学入試センター試験レベル」到達に最適の1400語を精選。約460万語の大学入試コーパス(言語データ)の解析により、「試験に出る語・出る意味・出る例文」を掲載。

商品紹介より

過去の膨大な量の問題を分析することで、頻出度への信頼性が生まれる。

例文も無理のない自然なものとなっており、すんなり読むことが可能。

見出し語と例文の音声CDが収録されているのも魅力的だ。

 

そして、別冊で「確認用フレーズ集」が付属しており、単語が定着しているか、フレーズとともに確認することができる。

ただし、最難関校の受験生にとってはVALUE1700でも不足があるのは否めない。

基礎固めをするのに用いるのは良いが、これで完成!とはいかない部分があるので注意が必要だ。

英単語ピーナツほどおいしいものはない

変わったタイトルの本シリーズ。

BASIC、銅・銀・金メダルコースの計4種類あり、この順に簡単である。

難易度の目安はつぎの通り。

  • BASIC: 高校必修レベル
  • 銅: センター試験
  • 銀: 中堅校入試標準
  • 金: 難関校入試標準

 

いままでも幾度か述べてきたが、英単語はそれ単体で暗記するとなかなかうまくいかないことがある。

基礎的な単語ならまだしも、難解なものや綴りの長い単語は、ただ本を読んでいるのみでは定着しにくい。

 

その問題の解決方法は

  • 音読
  • 語呂合わせ
  • 例文暗記

など様々であるが、特異なアプローチを試みたのがピーナツシリーズである。

 

英単語ピーナツとは、「2つの単語がセットになったもの」(連語)のこと。

たとえば銀メダルコースの表紙には”linguistic talent”という連語が載っている。

このように2語1セットで語彙を充実させていこう、という狙いだ。

 

2語1セットの長所は「覚えやすいこと」だけではない。

もう一つ重要なのが、自分で活用しやすいという点である。

たとえば上のlinguistic talentは、用いる語を

  • linguistic ability
  • mathematical talent

のように変えていけば、様々な表現が可能になる。

これは英作文や英会話のときに大いに役立つ力だ。

元祖、発信型の単語集。話せる、書けるようになる工夫がつまった本気でやる人のための決定打。100回音読して自分の言葉に変えろ。

「BOOK」データベースより

 

このようにピーナツ(連語)で覚えておくのが本シリーズの特徴。

右ページに日本語、それをめくって左ページにピーナツ表現が載っているというレイアウト。

BASICは1000個、その他は777個の連語が載っており、結構幅広い単語をカバーしている。

 

他の参考書と比して(表紙を含め)かなり特殊であるため、どうしても人気が出にくい面がある。

しかし、標準的な単語帳とは違った趣向で学習できる優秀な教材であるため、ぜひ一度手に取ってみてほしい。

東大の英単語

いわゆる赤本を出している教学社による単語参考書。

名前の通り、東大入試の突破を主な目標としている。

 

掲載語数は2,000ほど。

とはいえこれは派生語を含んだもので、それを除くと750程度と大幅に少なくなる。

数の面ではターゲットや速読英単語シリーズの方が優秀ということになる。

 

「東大の英単語」では、単語が小テーマ別にまとめられている点だ。たとえば

人生・出来事6: 「危険」「避ける」

risk   crisis   peril   disaster   prevent   avoid   escape   help   inevitable   prepare

「東大の英単語」pp. 67より

という具合である。

今まで繰り返し述べてきたことだが、似たような・関連したテーマで並んでいると暗記しやすい。

 

そして最大の長所は、単語の「解説」が充実していることだ。

たとえばproblemという単語にはつぎのような解説・補足事項がついている。

questionとは意味合いが大きく異なることに注意。questionは「(問う・答えるべき)問題・疑問」の意味であるのに対し、problemは主に「(解決すべきやっかいな)問題」の意味合いである。

solve the problem「問題を解決する」という具合に動詞solveとワンセットで覚えよう。一方questionはask [answer] a questionと動詞ask [answer]とワンセットで覚えること。

「東大の英単語」pp. 71より

通常の参考書では、単に意味と例文を載せているのみの場合がほとんどだ。

それ自体は悪いことではないのだが、同義語との微妙な違いや語源・語根についての知識が深まらない。

「東大の英単語」ではこれらの内容を小さな囲みで惜しみなく紹介している。

すでに知っている単語であっても、解説を読むことで新しい知見が得られることが多い。

豊かな知識を養えるという点で、一度は読む価値のある参考書だ。

 

「東大の英単語」という名前になってはいるものの、単語レベルはじつはさほど高くないというデメリットがある。

本書を勉強し終えたとしても、東大入試の英単語はカバーしきれないことが予想される。

名前にそぐわない単語レベルであるのが物足りない点だ。

逆に言えば、東大受験生以外でも十分に活用できる参考書ではある。

 

そこまで難しくない単語について、意味を再確認し豊かな知識を養う目的で読む分には大変優秀な参考書である。

大学受験参考書ではないが優秀な単語帳

ここまでは、大学入試対策として作られた参考書を紹介してきた。

だが、それ以外にも優秀な英単語参考書は存在する。

大学生や社会人、それにTOEIC受験者などのための参考書群から、入試にも使える秀でたものを紹介する。

単語王

「単語王2202」は、オー・メソッド出版から出ている単語参考書。

これ自体は大学入試のみならずTOEICやTOEFLといった英語試験も対象としているのだが、大学入試の参考書として問題なく使用できる単語レベルになっている。

 

単語王の長所は、「同義語」に重点を置いていることだ。

普通の単語帳には、同義語が多数載っていることはまずない。

より多くの単語の学習を重視しているためである。

 

だが、同義語を知っておくのは大学入試においても重要だ。

たとえば長文の中で”advantage”(=有利)という語が使われていたのに、問題文で”merit”(=長所)という言葉が使われている、といった同義語のすり替えはセンター試験でも頻繁に登場する。

それに、同義語をいろいろ知っておいた方が英作文等での表現力が高まるのも事実。

単語王では、各単語見出しごとに同義語も載せてあるのが特徴。

これにより、同じ意味の単語を関連づけて覚えることができ、予想以上に効率的に学習できるのだ。

 

同義語の他には、対義語と派生語も充実している。

とにかく、単語の「ネットワーク」を重視しているのがポイント。

それでいて見出しの数も2000以上と多いのも忘れてはいけない。

 

ただし、各単語の意味は単なる羅列にとどまっており、どの意味を重点的に学習すればよいのかが分からない。

近年の英単語帳では重要な意味だけをピックアップしたり赤字にしたりしているので、そこで差が生まれてしまっている。

また、発売が2001年と古いため、新しい受験の傾向を反映できていないのも短所だ。

同義語や対義語、派生語の学習を重視したければ本書が適しているが、難易度や情報量的に「最初の1冊」には不向きであることに注意しよう。

速読速聴英単語シリーズ

 

Z会から出ている英単語の学習書である。

ここではBasic、Core、Advancedについて説明するが、他にもOpinion(時事)やBusinessDaily、TOEIC対策などもある。

速読速聴シリーズは、大学入試の参考書ではなくTOEICや実用英語技能検定、日常会話、ビジネス英語など広い場面での「英語」を学ぶためのもの。

本の帯に示されている通り、

  • Basic: 英検3級〜準2級
  • Core: 英検2級〜準1級
  • Advanced: 英検1級

が難易度の目安。大学入試などに換算するとつぎのようになる。

  • Basic: 中学・高校必修レベル
  • Core: センター試験〜早慶標準
  • Advanced: 難関校入試以上

 

速読速聴英単語の特徴は、なんといっても題材が英字新聞などのニュース英語である点だ。

したがって「大学入試にぴったりの参考書」とはならないが、今も盛んに使われている生きた英語を学習できる。

もちろん、語彙の面では大学入試と重複している部分が大いに存在する。

 

「速読速聴」と言っている通り、ある程度の分量・スピードの英語を理解し続ける処理能力が鍛えられる。

まず英文があり、その後に語彙が紹介されている構成だ。

先述の通り、英文はニュース記事が多くなっており、長文問題で出題されやすいテーマ(環境問題など)も登場する。

音声CDが付いているので、それを聞いたりディクテーション・シャドーイングをしたりと多くの用途がある。

 

せっかく良質な文章が多く収録されているので、英単語を覚えて終了だとあまりに勿体無い。

英文を黙読し、単語を学び、音読し、空いた時間にCDを聞いて…というふうに最後の最後まで使い切りたい一冊。

うまく活用すれば単語・長文・速読・リスニングなど多方面の力を養える優秀なシリーズだ。

 

大学生になってからも、BusinessやOpinionなどのバージョンにお世話になるかもしれない。

長期的に考えると、ニュース記事を通じて英語を学ぶというのは大きな力につながるのだ。

繰り返しになるが、受験のことのみを考えている参考書ではないので注意してほしい。

テーマ別英単語Academic

Z会から出ている英単語の教本。

先ほど同様、テーマ別に単語を取り扱う形式のものだ。

初級・中級・上級に分かれており、、中・上級は各々「01 人文・社会科学編」と「02 自然科学編」の2種類がある。

 

第一に注意すべきなのは、このシリーズが大学受験のための参考書ではないということだ。

academicという語からも連想されるように、本シリーズは大学生や社会人が英語を学習するために作られたものである。

シリーズ全体の難易度も相当に高いものであり、概ね次の通り。

  • 初級: 早慶以上の受験生向き
  • 中級: 東大・京大あたりの最難関校
  • 上級: 非常に意欲のある一部の人向き

検定試験で言えば、初級は英検準1級、中級は英検1級程度である。

かなりハイレベルな教材であるといえよう。

大学受験では、ある程度実力がついたら初級、完成に近づいたら中級に着手する程度でよい。

 

大学受験専門の参考書ではないという意味で、この参考書は魅力的に映らないかもしれない。

だが、内容の質は非常に高いものとなっている。

Academicシリーズでは、まず長文が載っておりそれを読むことで単語を学習していこう、という形式がとられている。

ガンガン問題演習をするのではなく、とにかく英語を読んでいくスタイルだ。

 

Academicシリーズは、大変興味深いテーマの文章で構成されているのが特徴。

たとえば「アスペルガー症候群とは何か?」「アインシュタインは原爆製造に加担したのか?」といった、読者の興味を引く内容になっているので、退屈することなく読み進めていける。

リンガメタリカ同様、背景知識の解説も欠かさず行われているので、英語の勉強をしながら知識も得られる。

音声CDが付属しているため、リスニングの教材としても活用可能。

 

総合的なイメージとしては、リンガメタリカをさらにハイレベルにしたものである。

英語力に自信があり、最難関大の入試でも大きな得点源としたいのであれば、着手する価値アリといえよう。

逆に、長文や単語の力が不十分なのに本書に着手するのはひたすら苦しいのみであるため厳禁だ。

センター試験レベルの単語は当然のこと、難関大レベルの語彙が付いてきてから取り組むべきシリーズである。

もともと大学生・社会人向けの本であるので、大学受験が終わった後に読んでみるのもよい。

「究極の英単語」シリーズ

英語参考書で有名なアルクから出ている単語帳。

レベル別に4種類に分かれており、それぞれ3,000語を収録。シリーズを通じて12,000語を学習することとなる。

難易度は、上の表紙画像にも記してある通り、

  • Vol. 1: 中学・高校必須レベル
  • Vol. 2: 早慶レベル
  • Vol. 3: 大学入試最難関レベル
  • Vol. 4: 大学以上

数の面では、本シリーズのみで大学入試の単語を完成させることができる。

 

形式としては、まず例文があり、そこに登場する単語が次に載っているという形式。

これに関してはDUO3.0と似ている部分がある。

 

例文があり、語数も多く網羅性が高いというのが「究極の英単語」シリーズ最大の長所である。

このシリーズさえあれば大学入試の英単語で困ることはないと言っても過言ではない。

 

だが、いくつか注意点があるので注意してほしい。

第一に、音声CDが付属していない。

発音は電子辞書等で調べれば良いので決定的な欠点ではないが、CDが付属している参考書よりは幾分か不便になる。

発音記号だけで発音を確認できる場合はさしたる問題ではないだろう。

 

第二に、すべての単語に例文がついているわけではない。

3,000語のうち、例文に含まれているのは1,500語程度で、残りは重要度順に登場しているのみだ。

この中途半端さが、ある程度の不満を生んでしまう可能性は否定できない。

とにかくたくさんの単語を知っておきたい、という受験生に向いている1冊だ。

「英検 でる準パス単」シリーズ

旺文社から出ている単語帳である。

名前の通り、これは大学受験ではなく実用英語技能検定の対策が主な目的だ。

 

目的が異なるとはいえ、登場する単語は共通するものが非常に多い。

大まかな目安としてはつぎの通り。

  • 2級: MARCHレベル
  • 準1級: 早慶以上の難関大レベル

英検は級によって難度の開きが激しいが、大学入試の観点では準1級を突破できれば困ることはない。

よほど単語面を充実させたければ、1級に取り組むと良いだろう。

 

パス単の長所は何と言ってもそのシンプルさにある。

過去の英検の出題を分析し、登場した単語を「でる度」(A・B・C)順に掲載している。

見出しの単語、発音、意味が左ページにあり、右に例文があるというのは「ターゲット」シリーズと共通。

読み物形式ではなく淡々と単語が並んでいるだけなので、スキマ時間に学習しやすいのがメリットだ。

同義語や対義語なども惜しみなく載っているので、情報量も不足しない。

 

ターゲットや速読英単語などで重要単語を学習したら、さらなる単語力向上に向けてパス単に取り組むのもアリだ。

完全に大学受験の対策になるわけではないものの、他の参考書に劣らない語彙レベルに到達できる。

高校生・大学生の中には英検を受験する人も多いだろうから、それの対策になるという意味でも効率的だ。

 

音声CDは付属していないが、無料で音声をダウンロードできるようになっている。

単語の発音だけでなく例文などもすべてデータがあるので、量は十分すぎるほどだ。

音声を聞いているだけでも十分勉強になるし、聞きながら自分で発音してみるのもよい。

 

シンプルでメリットも多いが、同義語とのニュアンスの違いや語根などについての知識は得られない。

単語そのものはたくさん載っているが、そうした補足事項に大きく欠くというデメリットがあるので注意しよう。

まとめ

英単語帳を選ぶコツを説明し、様々な単語帳を紹介した。

 

単語帳選択は重要である。

自分の学習スタイルに合った参考書を選ぶことで、効率が大きく向上するためだ。

しかし、現在は大変多くの英単語帳が存在するため、どれを使うか迷ってしまうことも多い。

単語帳選択に悩むあまり、多くの単語帳に手を出してしまうのは良くない。

いろいろなものに手を出すよりも、「これに決めた!」という1冊を丁寧にやりこむのが大切。

 

自分のやるべき単語帳を早いうちに決めて、今日からでも勉強を再開しよう。

必ず結果がついてくるはずだ。

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鴨井 拓也

株式会社Realize代表取締役、慶早進学塾塾長。 慶應義塾大学在学中に慶早進学塾を設立。2016年度は志願者慶應義塾大学合格率100%を達成。2017年度は東京大学理科Ⅰ類、京都大学法学部をはじめ。早慶6名の合格者を輩出。
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