2015 慶應義塾大学文学部入試総評

2015年度慶応義塾大学文学部の入試問題に関する総評です。

 

今回は慶應義塾大学文学部の2015年の入試問題の講評です。

文学部は他の慶應の文系学部と形式が異なり、書かせる国公立寄りの試験ですね。

他の学部よりも自己採点が難しいですが、大体の難易度をここで確認してもらえたらと思います。

 

慶應文の入試の特徴

文学部ということで複数の方式はなく、
英語150点、日本史or世界史100点、小論文100点の計350点満点です。

合格最低点は2013年が209点、2014年が206点と6割ほど得点できれば合格できる計算となります。

 

先ほども書きましたが、慶應文学部の試験は一般的な私大の問題と大きく異なります。

英語は長文と英作文に分けることができますが、そのうち長文問題の設問の大半が和訳や内容説明といった記述問題。

マーク型の問題を中心に勉強する私立専願の人にとって、鬼門となるでしょう。

和文英訳は標準的なため、基本的な文法事項を抑えた英文が書ける人は問題ないです。

 

また世界史もユニークで設問の大半が語句補充の問題で、用語を正確にインプットできているかどうかが試されます。

一方日本史に関しては論述問題が出題されます。そしてこの論述問題が合否に差がつくポイントとなっていることが多いです。

 

そして最後に小論文ですが、経済学部の小論文に読むべき文章量が増えたようなイメージです。

例年Ⅰが要約の問題で、こちらは小論文というよりは現代文の力が問われる問題、そしてⅡが課題文をもとに自分の意見を記述するタイプの問題です。

 

以上のように慶應文の入試問題は、他大学や慶應の他の学部と比較してもかなり自分で文章を書かねばならず、国公立2次試験の問題に近い印象を受けます。

 

2014慶應文の総評

今年度の慶應文と比較できれば受験生も分かりやすいかなと思い、昨年の総評も書いておきます。

 

昨年の慶文ですが、まず個人的には入試問題どうこうよりも、雪で大変だった記憶が甦ってきます笑(昨年の生徒が慶應文を受験したんですが、大雪の影響で大変な思いをしました笑)

科目ごとに見ていってください。

英語

さて順番に見ていきますが、英語は元の大問1題という形式に戻りました。

制限時間120分という長い時間の中で、1つのテーマについて書かれた文章をじっくり読み解いていくという、文学部らしい出題です。

設問間の難易度差が激しいので、簡単な問題を落としたら命取りとなります。

特に下線部和訳の問題や内容説明の問題の難易度が高く、確固たる英文解釈力と国語力が必要とされます。

難易度としては難化した2013年と同程度です。

 

世界史

形式、難易度共に2013年を踏襲しています。

大問は4題でその大半が空所補充という、歴史事項や用語を正確にアウトプットできるかどうかが試される問題となっています。

一問一答を完璧に仕上げた人と、何となく学習をしてきた人では露骨に得点に差が生じるでしょう。

2014年はⅠのオスマン帝国の歴史、Ⅱのヴァイキング等の交易の問題を中心に教科書レベルを超えた難問が出題されています。

しかし合格最低点を考えれば、そういった問題を失点していても問題なく、むしろ基本的な問題をどれだけ取りこぼさないで正解できるかで合否が決まるといっていいでしょう。

 

日本史

平均点の高かった2013年よりも20点下がり、難化。

日本史は世界史と異なり、マークの問題、記述問題、そして論述問題と幅広く出題されるのが特徴で、2014年もその傾向を引き継いだことは変わりません。

例年マーク記述問題は基本的な出題が多いですが、2014年はⅠの原子・古代の問題が非常に難しく、あまりできていなくても仕方ないという印象です。

日本史は世界史と異なり、論述もありますから、分からない問題はさっさと見切りをつけて、考えれば解ける論述問題に時間を使うのが適切ですね。

日本史も基本的な出題を中心に取りこぼしを抑えることが大事で、2014年もその通りの出題となっていました。

 

小論文

2014年も形式に変化はなく、Ⅰが課題文の要約、Ⅱが自分の意見を述べる問題。

2014年のテーマは「異邦人」に関するもので、最初はなにそれ?って戸惑った人もいたかもしれませんが、文章全体の流れは特に疑問に思う部分は少なかったと思います。

その点で文章の読解がしやすかったはずです。

また設問においては、論点が複数思いつくような設問となっていたので、受験生は非常に解きやすかったのではないか思います。

こういった点から2014年はやや易化ですね。

 

2015慶應文の入試総評

前置きが長くなりましたが、いよいよ本題の本年度の慶應義塾大学文学部の入試問題の講評です。

各科目順番に見ていくことにします。

※問題が確認できるのが2/15の深夜か2/16となるので、確認後更新します。このページをブックマークするなりして、お待ちしていただければ幸いです。

英語

今年は2014年同様、長文1題の出題で、設問が先に書かれているタイプとなり、従来の出題形式にほぼ完全に戻りましたね。

ここ2年の英語は難化傾向となっていましたが、相変わらず和訳や内容説明の問題といった国公立2次試験を思わせるようなシンプルな出題形式で、非常に高度な精読力や国語力が要求される問題となっていました。

とはいえ、今年はやや解きやすい問題が増えた印象で、難易度はやや易化したように感じます。

確固た精読力と記述力をもった受験生であれば十分合格点を狙える問題だったと言えるでしょう。

 

世界史

形式は例年通り、大問は4題で、設問の大半が歴史用語の記述問題というシンプルながら文学部らしい出題でした。

今年は教科書レベルを超える難問の出題数が減少した印象で、しっかり学習を進めてきた受験生にとってだいぶやりやすかったのではないでしょうか?

一問一答等を使用して正確に用語を書けるように仕上げてきた人は高得点が取れそうですが、そうでない人は一気に得点が下がりそうな、実力差がはっきり表れる問題だったと思います。

難易度は昨年からやや易。

 

日本史

今年は文学部に限らず、慶應は全体的に日本史で難化しているような気がします。

この文学部でも昨年よりもⅣ、Ⅴの論述問題が難しくなりましたね。

Ⅰはやや難しい問題が多かったですが、昨年のⅠを考えれば取りやすくなったでしょう。

Ⅱ、Ⅲは基本~標準程度の出題で、ここはサクサクいきたかったですね。

そして論述問題が控えるⅣ、Ⅴを丁寧に解きたい所でした。

 

基本事項を中心に丁寧な学習を求められるとともに、特にⅠ、Ⅱで正解がない時「0」を選ばなければならないという、特有の出題傾向をもつため、過去問演習も重要でしょう。

 

小論文

形式、難易度共に大きな変化はなし。イメージとしては昨年までの慶應経済の小論文(今年は若干形式に変化あり)に課題文のボリュームが増したようなそのような印象です。

長めの課題文を読み、Ⅰで条件に沿って筆者の主張をまとめる問題、そしてⅡで自分の意見を主張するというシンプルな出題でした。

今年の課題文は「科学的な知識」に関するもので、最初はあれ?理系?と思ったんですが、そうではなく、この文章では科学云々について話しているというよりは、「科学がなぜ誤解されるのか?」というタイトルの通り、知的な物に関する他者との認識の重要性と、その相違、そしてその共有の難しさについて説いた文章となっています。

ここまで掘り下げて考えると、文学部で出題される文章として極めて適切で、やはり普段から幅広く色々な物事について考えられるかどうかが問われているといって問題ないでしょう。

小論文というと、「差がつかない」というイメージを持っている人が強いですが、しっかり実力差がはっきりする問題だったように思います。

 

来年度以降慶應文を受験する人へ

では来年度以降、慶應義塾大学文学部を目指す人に向けたアドバイスを書いておきます。

東大、京大、一橋、旧帝大等の国公立大併願者

英語の記述問題、日本史の論述問題、小論文の設問Ⅰなどは国公立2次試験の勉強をしていたらそれがそのまま慶應文の対策となっている面が大きいです。

そのため商学部と同様に、国公立の勉強を最優先して行い、適度に慶應文の過去問をやり、弱点を補強していくような形で問題ないかと思います。

注意点としては、特に世界史に関しては、正確な用語の暗記が求められるので、そこは意識しておくこと、それから小論文の配点がそれなりに大きいので、経済学部みたいにほとんどノータッチで挑むのではなく、最低限過去問はしっかりやって挑むべきだと考えます。

 

私立大学専願者

慶文の特徴は何よりも書かせる試験だということです。

例えば他の難関私立の早稲田やMARCHなどはマーク型の問題が中心となっている所が多く、特に慶應文の英語や小論文は、こういった人達にとってかなり痛いものとなるでしょう。

 

慶應文を受験し、またここが上位志望である人は、以下のような対策をすべきです。

英語

・構文解釈の勉強に力を入れること

・長文は私大の問題を集めたものばかり解くのではなく、普段の学習から和訳や内容説明の入っている幅広く能力を問う問題集を使用すること(やっておきたいシリーズ等はおすすめです)

・過去問対策をしっかり行うこと

 

世界史

・世界史は他の私大と同様の勉強で問題なし

 

日本史

・論述が合否をわけるので、基本事項を整理した後は、論述対策も行うこと

 

小論文

・現代文の学習で文章の要約を取り入れておくとかなり楽になる。

・知識を入れる勉強が多い私立文系の人は、より普段から自分の考えを論理的に説明する癖をつけておくこと(何も机に向かうだけが勉強ではないのです)

 

このように普段の勉強から慶應文を意識してやる内容を変えていけば、必ず本番で通用する学力を養成することが可能となります。

 

おわりに

以上が慶應文学部の総評でした。

この記事を見ているのが2/15とかでしたら、まだ本年度の総評を書けていないはずですから、時間を空けて、このページを開いてもらえたらと思います。

 

他の私立の文学部と比べて、かなり特徴があるのが慶應の文学部ですから、そこを意識して勉強してきた人と、そうではない人との間ではかなりの差が生まれてくるはずです。

特に翌年以降受験する人はこういった事を意識してください。

また更に合格の可能性を高めたい人は以下のページをご覧くださいね。

(クリック→)「ジェラーの受験指導」

 

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鴨井 拓也

株式会社Realize代表取締役、慶早進学塾塾長。 慶應義塾大学在学中に慶早進学塾を設立。2016年度は志願者慶應義塾大学合格率100%を達成。2017年度は東京大学理科Ⅰ類、京都大学法学部をはじめ。早慶6名の合格者を輩出。

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