2015 東京大学文科入試総評

2015年度の東京大学の入試問題に関する総評です。

 

2/25、2/26と国公立前期試験が実施されました。

今年は慶應と早稲田の複数の学部の入試総評を行いましたが、国公立大学に関しても、難関大を中心に入試総評を行っていこうと考えています。

今回は日本の最難関、東京大学の文科に関してです。

 

東京大学文科の入試の特徴

配点や最低点等

東大の文科は文科Ⅰ類、文科Ⅱ類、文科Ⅲ類に分けられ、それぞれ法学部、経済学部、文学部に多くの人が進みます。

そのため入りたい学部が決まっている人はそれに沿って科類を決めればいいでしょうし、逆にまだ学部が決まらない人にとっても、進振りまで時間的な猶予がありますから、そういった人でも東大は魅力的に感じる部分かと思います。

 

さて東大は国公立ですから、センター試験を受験後、第一段階選抜を通過した人が2次試験を受験できる仕組みとなっています。

2次試験の配点は、
初日…国語120点、数学80点、
2日目…日本史、世界史、地理から2科目120点、英語120点
の計440点満点です。

これとセンター試験900点満点が110点に圧縮され、合計550点満点で上から受かっていくという形となっています。

東大文科の最大の特徴として、2次試験で地歴2科目が必須な事が挙げられるでしょう。

一橋や旧帝大では、通常地歴は1科目ですから、これが2科目となり、またその科目も最上位のレベルが要求されますから、やはり東大は高き壁となってくると言えるでしょう。

どれだけ早く英数の主要科目で得点できるようになり、他の科目の勉強時間を作ることができるかで勝負の分かれ目となってきそうです。

また足切り点や最低点は少々複雑なので、知らない人はこちらをご覧ください。

「東大塾 合格者最低点・平均点の推移」

 

2014 東京大学入試総評

今年の東大文科の問題を見る前に、昨年の問題について振り返っておきましょう。

昨年は複数の記事にして、問題の総評をしていますから、以下のリンク先から自分の見たい記事を確認してください。

(クリック→)「2014 東大入試総評」

特に昨年の現代文の記事についてはぜひ見てほしいですね!

 

2015 東京大学文科入試総評

ではいよいよ本題の2015年東大文科の入試総評です。

科目毎に更新していますから、見たい科目を確認してください。

※問題を確認後、随時更新していく形となっています。まだ更新されていない科目はしばらくお待ちください。

国語

試験時間150分という長丁場の中、形式は例年通り第一問が評論(文理共通)、第二問が古文、第三問が漢文、第四問が文科専用の随筆という大まかな形式は変わりません。

順番に見ていきましょう。

第一問は文理共通の評論でした。

「自分らしさ」をテーマとした文章で、例年よりやや読み取りにくい印象です。

ただその分分量が短くなっておよそ2700字。

短い文章をじっくり丁寧に粘り強く読み解いていくことが必要です。

設問としては、漢字の個数が3つに減少し、絶対に確保できる部分が少なくなったことからより即解能力と解答作成能力が問われる問題となりました。

第一問全体としてはやや難化。

 

第二問は古文ですが、例年にもまして文章が短く、読解するのに特別な力は必要ないことは変わりません。

日本語訳や内容説明といった問題が中心でしたが、より丁寧に記述する力が求められます。

訳し忘れや解答に含むべき要素を意識したいですね。

 

第三問は漢文で、こちらも第二問の古文同様、ある程度の読解であればそれほど難しくはないです。

ただやはりより丁寧で簡潔な日本語としての説明となると、やや骨の折れる作業となるため、こちらもどれだけ練習してきてたかで差がつくでしょう。

古典が分量は減少したものの、難易度は概ね例年通りです。

相対的に東大は現代文よりも古典の方が簡単ですから、古典で細部に気を付けて、確実に高得点を取ることが東大国語で突破する鍵となるでしょうし、今年もその傾向は変わりません。

 

第四問は文科専用の随筆の問題。

随筆からの出題という点では例年通りですが、今年はやや読みやすく、設問も素直な問題が多い印象です。

第一問がやや難しくなった事を考えれば、今年は第四問も積極的に得点を狙いたかったですね。

 

なお第一問と第四問に関しては、実際に僕が解答を作成し、どれだけ取れていればいいのか、また予備校の解答速報がどの程度信憑性があるのかを書いた記事を更新するつもりなので、詳細はそちらに譲るつもりです。

しばらくお待ちください。

 

数学

試験時間80分で、4題の問題を解かせるという例年通りの出題。

東大という名がつくため、難しい印象がありますが、近年の東大文系数学難問が度々出題されるよりは、全体的に標準的な問題が目立ちます。

そのため実力差が最もつきやすい科目の1つで、数学が苦手な人はここで大きなビハインドを食らってしまうでしょう。

 

さて今年の文系数学の中身に関してですが、例年第一問は瞬殺したいような問題ばかりなので、ここを確実に取って、残りの3問自分が得意な所から片づけて合格点を超えていくことが可能でした。

しかし2015年はやや様変わりしましたね。

第一問は整数に関する命題の真偽判定の問題でした。

今年から新課程となり、整数が必須となった事を考えれば、整数が頻出の東大はおそらく大sてくるだろうと思っていましたが、まさかの第一問での登場です。

例年ここの第一問は微積等、比較的容易に解ける問題が多かったわけですが、今年の第一問はいきなり実力差が別れる標準的な問題でした。

ここができなくてパニックに陥った人も多かったのではないかと思います。

とは言うものの、落ち着いて解けば十分に完答が狙えます。

 

第二問は通過領域と面積の問題。

東大では図形と方程式、特に通過領域の問題が頻出で、今年もその類の問題が出ました。

最大のポイントは複数ある条件を立式し、aの値の範囲を正確に定められるかどうかです。

そこまでできればあとは通過領域を求めて、面積を出すだけです。

極めて標準的な問題ですね。

 

第三問も図形と方程式の問題です。

少々問題文が複雑ですが、一個ずつ丁寧に読んでいき、関係式を立式することが大事です。

その後最小値を求める際に相加・相乗平均を用いることになりますが、さすがにこれまで過去問や東大模試を受験してきた猛者たちなら問題ないでしょう。

これも標準的。

 

そして第四問が東大最頻出の確率漸化式の問題です。

過去問や東大模試ではもう何度も出題されるようなテーマですから、ここは是が非でも取りに行きたい所です。

確率漸化式の問題はとにかく問題文を読解して立式できるかどうかが全てです。

立式さえしてしまえば、あとは機械的に問題を解くだけですね。

これも標準的。

 

総合的に、今年は大問ごとの難易度の差が非常に小さく、どれも標準的な問題ばかりでした。

ということは、数学が苦手な人はもしかしたら崩壊したかもしれませんし、逆に数学が得意な人は余裕をもって3完以上できたかもしれませんね。

個人的には難易度は概ね例年通りと感じますが、第一問がいつもより解きにくかった事を考えれば平均点は下がるかもしれません。

僕個人としては、実力差が如実に出る問題ばかりだと思うので、良いセットだったように感じます。

 

日本史

大問4題で、それぞれ設問が2つあり、どれも2~4行の論述問題。

一般的に日本史の問題はどれだけ正確に暗記できているか、そういった観点からの出題が目立ちますが、東大日本史はそうではなく、基本的な内容をどれだけ題意に沿って適切に記述できるかが問われる問題となっています。

そのためある程度学習が進めばすぐに対応可能となる反面、しっかり形式に慣れて、適切な文章を書けるような練習をしていないと高得点は中々取れないような仕組みとなっています。

 

今年は分量は増加したものの、難易度はやや易化の印象です。(僕自身が日本史選択ではないので、他の科目ほど詳細に記載することを避けておきます。)

 

世界史

 2015年の世界史は分量が減りましたね。

後述する地理で分量がかなり増加しましたから、世界史地理の人は、世界史を短時間で切り上げて、地理をじっくりめにやればよかったはずです。

 

さて第一問は大論述で、テーマは13~14世紀モンゴルのネットワークに関して。

今年は割とよく見るテーマで安堵した人が多かったのではないでしょうか?

語句はどれもどのように使用すればよいのか分かりやすいものばかりで、「博多」という語句が出てることから日本とも関連させてくださいね、という出題者側からの助言でしょう。

やはり1つの設問で大きなスケールで叙述していく東大らしい出題です。

全く分からず壊滅という事はまずないでしょうから、あとはどれだけ題意に沿って、内容を適切に盛り込んでいけるかが勝負の鍵です。

ここは日頃の勉強の成果が問われる部分でしょう。

 

第二問は一問一答と小論述。

「法」がテーマとなっていましたが、どの設問も標準的でした。

唯一困るのが2aですかね。

律令格式のそれぞれの具体的な内容は結構流してしまっていた人が多いかもしれません。

 

3は一問一答。

ここはノーミス、悪くても1ミスでいきたいです。

特にコメントすることもありません。

 

全体として難易度は例年並みですが、分量は減ったので負担は減少したでしょう。

東大世界史は日本史、地理よりも暗記色の強い設問が目立ちますから、できるようになったら得点が安定しますし、高得点を取ることも十分可能です。

そのため世界史を選択している人はここで高得点を取れるようにしていたら、かなり有利な展開となったでしょう。

 

地理

今年は全体の分量が大幅に増加しました。

地理は世界史、日本史よりも考える時間を要求される設問が多いため、比較的時間を奪われる傾向にあります。

そのため地理選択の人はやや時間に苦しんだかもしれません。

それを念頭に置いて、大問ごとに見ていきます。

 

1Aは地形図と絡めた自然条件に関する設問です。

地形図が出ると、当然それを読み取りにいかなくてはならないので、負担が大きくかかるんですが、それでも扱われているテーマは基本的なものばかり。

確実に得点したい所です。

1Bは植生に関する問題でした。

日本の林業だったり、焼畑農業だったり、小問全て超典型的な問題ばかりでしたね。ここは何が何でも高得点を取りたいです。

 

2A、2B共に世界の貿易の問題でした。

2Aは最初の記号判定が平易で、その後に続く問題も典型的なものばかりなので、しっかり地誌の勉強ができていた人には問題なかったはずです。

2Bに関しては一転して記号判定が難しく、ここはできない人が多そうですね。

2Aを確実に取って、何とか2Bは凌いでおきたい所でした。

 

3は日本に関する問題で、東大地理では頻出のテーマです。

全体的によく聞かれる問題が中心である印象を受けます。

Bの問題の設定が最初戸惑うかもしれませんが、それでも焦るほどではありませんからね。

3をどれだけ得点できるかでかなり得点が変わってきそうです。

 

全体として分量がかなり増えた中、典型的な問題に関してはさくっと解答し、思考力が要求される設問に時間を割きたかった所です。

1や2Aは非常に簡単でしたから、40点を超えられるかどうかは3の出来にかかってくるでしょう。

難易度は例年通り。

 

英語

試験時間120分で全体の大きな形式変化はなかったですが、今年から選択問題がマークシートになった事が特徴です。

1Aは短めの英文を要約する問題。

東大受験生であれば論旨を把握することは難しくないでしょう。あとは制限字数内でどれだけの情報量を的確に盛り込んでいけるかの勝負です。

1Bは空所に文を補充する問題。

東大英語でここが苦手な人が最も多いと思います。

ダミーの選択肢が3つあるうえに、全体の文章量も多く、ここは出来る人と出来ない人の差がはっきりしそうです。

 

2は自由英作文の問題で、Aがイラストを見て答えるタイプの問題、Bがよくある一般的な自由英作文の問題。

最近は英作文2題がずっと続いていますね。

2でどれだけ早く確実に得点を取れるかが非常に重要となってきます。さほど難しくないので、ここは確実に取りたいです。

 

3はリスニングで、特にAとBは連動しているタイプの問題でした。

リスニングに関しては、実際に僕が受験しているわけではないので、正確な事は言えないですが、かなり大きな配点を占めるので、東大英語でリスニングは最も重要です。

ここをほとんど失点しないようなレベルであれば、一気に英語の得点が安定するはずです。

 

4Aは今年は並び替えでした。

個人的には1語取り除く問題の方が難しいと感じるのですが、受験生の方はいかがでしょうか。

この設問はさっと終わらせたい所でした。

4Bは和訳。

ただ構文を掴むだけではなく、状況に合わせて適宜意訳していく力が求められます。

 

そして最後に5が長文読解。

評論的な題材ではなく、小説を題材としているため、他の大学の長文よりもやりにくさはかなりあると思います。

ほぼ毎年小説やエッセーが出題されていますから、徹底的に過去問をやっておきたかった所でしょう。

 

これだけのボリュームを解くにはかなりのスピードが要求されますし、また出題分野も様々なので、総合的な英語の力が必要とされていた事は何ら変わりません。

全体の難易度としてはやや難化した印象を受けます。

 

来年度以降東大文科を受験する人へ

では来年度以降東大文科を受験しようと思っている人への勉強法や対策について簡単に触れておこうと思います。

高1、高2の間にとにかく英数を徹底!

一般的に東大に合格する学力を身に付けるのには2年かかると言われています。

もちろん本格的な受験勉強を始めたのが1年間でそれで東大に合格する人もいますが、実際の所それは元々学力が高かったり、また非常に効率の良い勉強をできる人が多い現状があります。

また国公立は一発勝負なので、そういった場で安定的に合格できるくらいの可能性をもっておくには、やはりそれくらいの期間が必要となってきます。

そのため本格的に東大を目指す人であれば、高1、高2のうちにどれだけ勉強を進めているかが非常に重要です。

特にすぐに結果に繋がりにくい、英数をとにかく早め早めからやっておくことが大事です。

英語が出来なければ、東大はおろか早慶も厳しくなってきますし、また数学ができるかどうかで大きく合否が別れてしまうからです。

 

地歴、古典は確実に稼ぐ!

東大と言えど、難問奇問ばかり出題されると思っていないでしょうか?

現実はそうではなくて、良質な標準問題のオンパレードでそれをどれだけ確実に取れるかが重要となってきます。(決して東大が簡単だ!なんて言っているわけではありませんからね。誤解のないように。)

特に地歴や古典は他の科目と比較しても短期間の勉強で高得点が狙える科目です。

また暗記色が強いため、一度できるようになったら、知識の抜けをしっかり防いでいれば、得点の計算が簡単に行える科目です。

特に現役生にありがちなのが、最後地歴の2科目目が間に合わなかったということ。

勉強さえすれば確実に得点を確保できる部分での失点は非常に勿体ないことです。

やはりこれらも早い内から着手し、確実な得点源としたい所です。

 

現代文は正しく学習しよう!

東大に限らずおそらく勉強で最も苦労する科目が現代文でしょう。

解答に至るまでの思考のプロセスが無数に存在するため、他の科目と違って教える側の良し悪しや、参考書の質で大きく左右されます。(まあ現代文で本当に良質な参考書ってほとんどないんですけどね笑)

またそもそも模範解答で示されている解答が誤答だらけだったりもします。(特に青本の現代文の解答はダメです。)

そんな中で解答として優れていると感じるのは、やはり東進。

林修とそのスタッフが作成しているとだけあって、他の追随を許さない仕上がりとなっています。

そのため東進の過去問データベースを使用し、東大現代文の模範解答を入手してください。

実際に東進に通っていなくても、正しい解答を知るだけで見えてくるものがありますから。

 

現代文の具体的な勉強法に関しては、今後記事を更新していきますから、それまでお待ちくださいね。

 

総合点で合格最低点を超えよう!

最後にこれだけの受験科目があれば得意な科目もあったり、苦手な科目もあったりと様々でしょう。

そんな中でやはり大事になってくるのが、総合点で合格最低点を超えるという意識。

どうしてもできない科目があったら、そこは何とか平均点程度で凌いで、他の科目で埋め合わせたりするのも一つの手です。

大事なのは、全体の勉強のバランスを崩さず、取れそうな所から確実に合格点を超えていくことです。

自分だけの大まかな得点設計をイメージして、日々着実に成長を遂げていってください。

 

おわりに

以上が2015年の東京大学文科の入試問題の総評でした。

まだ更新されていない科目がある場合は、しばらくお待ちください。

東大に合格する学力を身に付けるには、とにかく早い段階からの学習が必要不可欠です。

普段から先を見越した学習を意識していてくださいね。

 

また少しでも合格の可能性を高めたい人は以下のページをご覧ください。

(クリック→)「ジェラーの受験指導」

 

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「2015 入試総評一覧」

 

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鴨井 拓也

株式会社Realize代表取締役、慶早進学塾塾長。 慶應義塾大学在学中に慶早進学塾を設立。2016年度は志願者慶應義塾大学合格率100%を達成。2017年度は東京大学理科Ⅰ類、京都大学法学部をはじめ。早慶6名の合格者を輩出。
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